もう随分とむかしの話、デザインの専門学校に行く前に大学受験を試みたことがあった。市のパステル短期講座にも行ってみたりして、そこでお世話になった先生の絵画教室へデッサンを見てもらいに行った時のこと。
その先生「この補色の組み合わせは大切だから役に立つはず」と天井に貼ってあった配色見本の一部をいきなりビリッとやぶって私にくれた。
そのとき絵を学ぶというより先に「この人は信頼できる人だなあ」と感じた。
結局、私は受験に落ちて専門学校に行くことに決めたのだけど、それと同時にその先生の教室にも入門して絵を教えていただくことに決めた。今でもその端切れは、私の一番大事なものをしまうための机の引出に入れてある。