聞かせて、おじいちゃん −原爆の語り部・森政忠雄さんの決意

著/横田明子、監修/山田朗、出版/国土社、編集/篠田一希、装丁/品川幸人

第46回日本児童文芸家協会賞 受賞作品
全国学校図書協議会 第55回夏休みの本(緑陰図書 小学校高学年の部)選考作品

この本は著者の横田明子さんが原爆の語り部、森政忠雄さんについて書かれた本です。
広島に原爆が落とされた1945年、森政さんは小学6年生でした。それから59年後の2004年にお孫さんが夏休みの自由研究テーマとして原爆の話を聞きたいと頼まれたことがきっかけで、語り部として活動を始められます。活動を続けるうちに、ご自身の被爆体験を話すだけでは、戦争や平和について語るには足りないのではないかと考えるようになりました。

どうしたら子どもたちに実際の出来事として実感してもらえるだろうか。

そこで、「当時の日本はなぜ戦争に向かっていったのか。原爆が投下されるに至ったのか」を分かりやすくまとめ、講演内容に取り入れました。また、お孫さんをはじめ、様々な意見を取り入れて、改良を重ねていきます。

著者の横田さんが、森政さんの意志や活動を分かりやすく、また小中学生のお子さんが共感を持ちやすいように、子どもの目線に立って話を構成してくださっています。国土社編集部の篠田さんは、沢山の資料写真を掲載出来るように尽力されつつ、お子さまが手に取りやすい本になるよう写真の選考を工夫してくださいました。また、明治大学文学部教授の山田朗氏に、森政さんによる歴史解釈の監修協力をいただいています。私も偶然にも広島市出身であり、依頼をいただいた折り、これは何かのご縁だなと、精一杯読みやすい装丁を心がけました。

森政さんは、今年89歳だそうですが、驚くほどお元気な方で、現在も精力的に講演活動をなさっています。語り部の方々の高齢化が進む今だからこそ読み物としてとして残し、平和な世界の実現につなげていこうと、私達に語りかけてくれる本です。

横田さんと森政さん

左前が語り部の森政さん、右前が著者の横田さん、右上が国土社編集部の篠田さん、左上が私です。

 
国土社ホームページ、アマゾンなどからご購入できます。

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